2018年1月17日水曜日

道草の作り方1



道草の作り方といっても、道草が作る苔テラリウムの作り方の話ではない。







脱サラして、独立して、早いもので3年半が過ぎ。

ひそやかに苔ブームなどと言われたりして、

最近では、ホームセンターにまで苔テラリウムが並べられるようになり、

ちょっとした危機感あったり、なかったり。

周りを見渡すと、脱サラして苔屋さん始める人もチラホラ、チラホラ。

大丈夫か? と勝手に人のコト心配してみたり(オレには言われたくないか・・)





これまで、ここのブログには、コケの育て方のお話や、イベントの告知を中心に載せてきましたが、なんだか他のSNSで発信してることとほぼかぶり、モチベーションが上がらず、なんとなく更新がおろそかに・・・。

オフィシャル感ないときは、ブログでも自由なことがかけていたのだが、だんだん小さく小さく無難な発言しかできなくなっている自分がいるのだww





まあそんなことで、ブログ記事の趣向を変えて、道草ができるまでのコトやら、小さな規模で独立するお話しをちょっとまとめてみようかと。最近色々ブログを読むようになって、他の人の考え方や、やってきたことが、結構自分の役に立ったり、助けになったりするものだと気づかされたり。ここで書くことが、これから脱サラして植物のビジネス始めたいって人の役に、少しでも立てばよいのかな~。ということもあるし、自分の頭の中を一度文章にしてまとめておきたいということもある。時が経つと色々忘れていくし、twitterなどは、どんどんタイムラインが流れて行ってしまうので、過去を振り返りにくいからね。その点ブログは、過去の検索しやすいのが良いところ。





日記だもの。







ということで、まずは、なぜ苔を選択したのか?ってお話をしてみよう。





なぜ苔なのかの前に、独立したとき一番に考えねばならぬのが屋号だ。

カッコよく言えばブランドネーム。

ようは自分の名前と同じようなものだ。

ちょいちょい変えるわけにはいかないので、かなり重要。











道草michikusaという屋号であるが、

公式には「道端に生えているようなタダの草花で儲けてやろう」という、えげつない発想で命名ということになっている(そう説明している)。

実際のところは、「育てる植物を考えたときに、海外からくる難しい植物よりも、日本の風土に合った、道端にも生えているような草花の見落としてきた魅力を拾い上げることができたら」という発想からである(←おい、こっちを公式にしろ)。





ロゴの上の、植物を楽しく育てるきっかけ作りをしています。

これ、初めに考えた道草のコンセプト。

大事なのは、育てる植物であること・楽しいこと・きっかけ=入門編であること。



今でも出来るだけ、ここからズレないように、ズレないようにやっているつもり。





話しを戻す。なぜ苔か?





まず、苔が好きか、嫌いかと言われれば好きだ。

盆栽とか、お寺とか、焼き物とか、日本の文化や歴史が前から好きだったので、もちろん苔も好き。

好きだけじゃ仕事はできないが、好きは重要な要素。

だって、園芸なんて嗜好品だからさ、

楽しさを売るわけ、

自分が楽しいと思えないものは考えたり、説明したりできないと思うの。





私の場合、花を含めた植物で独立ということは決めていたので、まずはどの植物にするかの選択。

脱サラするまでの約15年間蘭の花を育て、育種し、販売してきたので、知識・人脈的には蘭なわけよね。

脱サラするって言ったとき、蘭を始めるんだって思った人多かったみたいだし。。。



まっ、普通に考えれば・・。



けどさ、俺がいうのもなんだけど、初期投資がバカみたいに多いくせに、儲からない構造なのよ。いまだに、蘭で儲けるという画が描けんもん(昔の仲間ごめんよ)。

やり方は色々あるけれど、蘭始めるんじゃ最低でも3000万くらいは手持ち資金無いとダメじゃない。





そうそうそれで、独立開業するときに一番大事なのは、開業のための自己資金。

(一応、ここで借金をするという手段もある。植物で独立する場合、そこまで儲からないので、初期のステップで借金はお勧めしないですが)

脱サラ時、私の手元にゃ300万。プラス 退職金が悲しい180万。

私、それなりに倹約家でして、独立夢見て貯蓄してきたつもりが、まあ、園芸業界で雇われなんてそんなもんよ(これでも結構長い間、名ばかり管理職だったんだぜ)。



そう、この時点で、借金をしないと決めた以上、やれることに制限がかかるわけね。

ちなみに、退職金は仕事用の軽バンを購入してほぼ終了。



残りの手持ち資金(生活費もこの中に含む)から、初期仕入れ・運転資金・当面の生活費を考え・・。まあ冷静に判断できる人であれば、独立しないかも笑



植物を育てる温室を借りたり、小売りをするためのテナントを借りて改装したりする資金なんって、ぜんぜん足りんのじゃ(←勢いでやめてから気が付くバカ これはホント)。



一応、独立する時点で道草michikusaという屋号は決まっていたので、ぼんやりとしたイメージとしては、苔玉やミニ盆栽、山野草などを扱えればカッコいいな~なんて。まあこの辺は、花束やブーケを作りたくて花屋に憧れる女子に近い発想。

(一応、独立する前からコケのテラリウムや、盆栽は育てたり研究していたよ・休日にフリマで販売したり、カフェでワークショップやったりもしていたよ。独立する前にやっておくべきことは、何かの機会に)

そのためにも、生産であれば圃場が、小売りであれば店舗が必要なのだ。





ふふふ、そんな資金はない!

(お店したいんじゃ、場所借りて500万くらいかけて改装して始めちゃえばいいじゃん。なんて言われたことも・・)いや、ないんだってさ・・





ということで、まずはアパートの一室で細々始めることに(いまだから言うが大家さんにはナイショダヨ)。ベランダにミニ盆栽を並べ、室内に棚を設置して、テラリウムを置く。



うむ。



ここの時点で、資金とスペースという、2大制限がかかっているのだ!

(もちろん他の仕事しながらとか、畑しながらスローにって手段もあったかもしれない。

でもそういうのは性に合わないのだ。

どうせやるなら一流に メラメラ...)





ということで、

この制限下で、最も効率的かつ最大限に利益を生み出せる可能性のある植物!

それが苔だったのだ!!

その答えの導きをわかりやすくまとめてみよう。







・ビジネスとして成り立たせるには、ある程度数量動かさねばならない。

⇒ 小スペースで数量動かす = 小さな植物。

⇒ 身近にある小さな植物 = 苔。

☆LEDで栽培でき、3段の棚にびっしり収納できる。単位面積当たりの在庫額を計算してみよう。単価は安くたって、蘭なんかの比じゃねーぜ。







・ビジネスとして成り立たせるには、利益を出さねばならない。

⇒ 小スペースで利益を出す = 加工によって付加価値を生み出せる植物。

⇒ 小さくて加工(アレンジ)しやすい植物 = 苔。

☆トレーで仕入れた苔を、バラシながら、小分けに加工していけば、フフフ。あとは容器選びや、植え込みテクなど個人のセンスで、付加価値を生み出す要素がいっぱいある。この辺は鉢物よりも、切り花に近い感覚かも。







・ビジネスとして成り立たせるには、価格競争に巻き込まれないようにしなければならない。

⇒ 大手が参入していない。目をつけていない。

☆多品目やっている先見性のありそうな生産者に「苔でビジネス始めるんですよ」といったところ、ほぼバカにされた。 = まだまだ苔に取り組んでくる気配なし

☆目をつけられていなければ、世の中で売れ始めても、すぐには参入してこれない。

= 利益を出す時間的余裕・その分野でイニシアチブをとる時間的余裕が生まれる。

☆イニシアチブさえとれれば、大量生産業者が参入してきても価格競争に巻き込まれることは少ないのだ。







・ビジネスとして成り立たせるには、継続的に販売できなければならない。

⇒ ギフト商材ではなく、嗜好品。

⇒ 一年中販売が可能(常緑)で、苔はいついつというシーズンが決まっていない。

☆一年中、売り上げをたてられる要素がある。

 私のように手持ち資金が少なく、規模が小さい場合。毎月のお金重要!



⇒ 一年中販売するためには、もちろんリピーターが重要。

  そのためには、収集欲を掻き立てる多様性が必要。

⇒ 日本に自生する苔は1700種類! 世界には18000種類!

⇒ まだまだ行けそうだぜbaby。







・ビジネスとして成り立たせるには、ロスを少なくしなければならない。

⇒ 花は咲いてしまえば、ロスになる。

  花屋の店頭でもそうだし、生産者の圃場でも同じ。

  これが花の仕事の最も大きなウィークポイント。

⇒ 生産者は花が終わってしまったら、ロスになってしまうので、市場で安くても出荷しなければならない。

⇒ 花屋は花が終わてしまったら、ロスになるので、その前にセールで安く売らなければならない。

= 花業界にいると感じる負のスパイラル。

☆苔は成長が遅く、花をめでるものではないので、綺麗な状態を保ちさせすれば、注文が来た時だけ出荷することができ、店頭でもロスが生じにくい(実際は枯れてしまったロスや、成長しすぎてしまったロスは生じるが、他の植物から比べるとかなり少ないと思う)





よし、苔は可能性がある!





ただ苔といっても、お庭・苔玉・盆栽・・・と色々あるわけで、その中でテラリウムに絞り込んでいった理由も少しお話してみよう。





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うーんと、苔でビジネスといっても苔玉もあるし、苔盆栽もあるし、景色盆栽で苔を使うからそれもありか。テラリウムで苔コレクションはちょっとマニアックすぎるかな~

始め無難に取り組むのは苔玉だよね。





だって、丸いし、もふもふしていて、女子ウケよさそうだし。

ウケが良いものの方が、売れそうだし、お金ないと不安だし・・。





でもさ、山梨でワークショップやってみてわかったのは、

苔玉ワークショップ参加者はせいぜい隣の市からくる程度。

しかも年齢層がかなり高め・・。

でさ、苔テラリウムや苔を学ぶワークショップをやったら、東京や神奈川からくるわけ。

ワークショップだけのためにだよ。

いやいや、案外遠いよ山梨県。





ようは、私のような小さな規模でやる場合、広くウケそうなジャンルに取り組むよりも。

狭くニッチなニーズを拾った方が、全国に強く情報が広まりやすいってことなんだ。SNSで情報発信できる時代だからね~

(ここで勘違いしてはいけないのは、苔はメジャーな植物であるってことも重要。例えば、地衣類や粘菌もニッチで面白いが、存在がマイナー過ぎては、情報に飛びつく人が少なすぎる)





だって、苔玉やってる人は全国にいっぱいいるけど、苔専門って。

いまは結構いるけど私の始めたころは、ほんと数名だったかと。





もちろん、苔テラリウムに特化させた理由は、ニッチでメジャーだからだけではない。





苔玉やミニ盆栽は、室内では育てにくいんだよね。

都会の民のニーズは室内で育てられる植物にあるんだ。

だって、庭やベランダがないから。

一年中部屋の中における必要がある。

(ここは蘭の仕事していた時も感じていたジレンマであり、植物とニーズのミスマッチ)





そこをうまく補える要素があったのが、苔テラリウムってこと。

そして、途中で書いた「植物を楽しく育てるきっかけづくり」というコンセプトにも合致しているし。





道草は小瓶で苔テラリウム作って、いろんな苔で刺激して、全国配送できる仕組みを整えた。何もないところだと、それだけで勝ちなのね。

いまは、そんなの誰でもできるし、もっと安くも作れる。

今みたいな状況で、新しく始めるとき、苔を選択しますか?

と問われれば、やらないかな。現状から入り込んでも、儲かる画が描けないもの。





さて、若干横道にそれましたが、





スペース と 資金 という制限要因がある中で、

2013年時点、もっとも儲かりそうなニッチでメジャーな植物が「苔」であったわけだ。





どうだ、答えになったのか?















あっ、ホントに好きですよ苔。







今度は、気が向いたら、小さなアパートから抜け出すまでの話でも書いてみよう。















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